僕はもともと、「怒りっぽい」ほうではないと思う。なので、何か嫌なことがあったときに、怒りをその場で抑えるのはそれほど難しくはない。

問題は、それを後から思い出して、嫌な気分になること。瞬間的な怒りをやり過ごしたあとで、その感情や出来事に自分の中で折り合いをつけるのは、まだ上手くいかない。僕もまだ、精進が足りないということだ。

暑さが本格化してきた。まだ当面梅雨はあけないだろうから、あとひと月くらいはこの蒸し暑さと付き合わなければならない。毎年のこととは言え、うんざりである。そして、梅雨が明けてもいきなり湿気が下がるわけでもなく、暑さとの戦いはこれから3ヶ月くらいは続くことになるだろう。やれやれ。

怒る、イラッとする、キレそうになる。そういうことは時々あるが、最近は「怒りは時間の無駄」と思うようにしている。

僕は感情を表に出すのが下手なほうだ。ネガティブな感情を胸のうちに飲み込んでしまって、それがもとで心身に支障をきたした経験もある。それもあって最近は、ふと心に浮かんだ感情を、ネガティブなものも含めてあまり我慢し過ぎないように心がけていたのだが、こと怒りの感情に限っては、表に出してもあまり得をしないように思える。あるいは「効果的な怒り方」というのがあるのかも知れないが(アンガーマネジメントとかいうのにそういうのもあるのかしらん)、特に知りたいとは思わない。

怒りの持続時間は6秒程度、という説もあるらしい。確かに、怒りの感情は、意識してみると案外、簡単に治まる。「こんなことで怒るなんて馬鹿馬鹿しい、時間の無駄だ」と思考をそらすだけで、少なくとも僕の場合、その場の怒りは治まる。もし、後から怒りの感情がぶり返す、言わば「思い出し怒り」のようなものがあるとやっかいだが、そんなものはほとんどない。そこまで持続するような怒りなら、それはある意味、正当な怒り、理由のある怒りなのかも知れない。そして、そうでない怒りは、大した意味などないのだ。

そんな風に考えると、少し楽になる。

歯医者に行ってきた。記憶にある限りでは、20年ぶりくらいになるのではないか。子供の頃は歯磨きをさぼったおかげで、かなり虫歯が多く、おまけに歯並びも悪いのだが、不思議と大人になってからは虫歯に悩まされることはほとんどなかった。

今回歯医者に行こうと思ったのは、先週の歯痛がきっかけだが、実はその痛みはもうなくなっていた。どうも、先週のは虫歯ではなく副鼻腔炎が原因の痛みだったようだ。そのことは今日の歯科医の先生にも告げた。

先生はレントゲンを見せてくれながら、確かに鼻の奥が炎症を起こしていること、歯痛が鼻の炎症の原因になることも鼻の炎症が歯痛の原因になることも両方ありえることを説明してくれた。歯が原因であるかどうかははっきりと断言はできないので、しばらく様子を見ることにした。

で、それとは別に軽い虫歯が見つかったので、そちらは治療をすることにした。それにしても、最近の歯の治療というのは、痛みはほとんどないのに感心した。程度が軽かったこともあったのかも知れないが、麻酔の注射もほんの一瞬で、歯を削られるときもまったく痛みはなかった。まあ10年20年もすれば、治療の方法も進歩するということなのだろう。病院の施設も、治療用の椅子の正面に大きなモニタが設置され、レントゲンの写真を表示して図示しながら丁寧に説明をしてくれて、とても好感が持てた。

虫歯は放置しておいても治るものではないし、早いうちに治療できてよかった。