天下国家を論じることなどもちろん出来ず。

 

自分が今所属する組織への批判・意見・提言の類さえ、同僚との世間話の種にしかならない。

 

そもそも自分は今、派遣会社の登録スタッフであるわけだが、派遣会社への帰属意識は薄い。派遣会社に対しては大きな不満はないが、派遣会社の経営その他に関する明確な意見は持たない。まあ、派遣スタッフなんてそんなものだ。常用型派遣ならまだしも、登録型派遣なんて仕事がある期間だけの付き合い。派遣会社の経営に携わることもないのだから、待遇に対する意見は持っていても、派遣会社そのものに対する意見など思いつきもしない。仮に持ったとしても、どうすることも出来ない(雇われスタッフが派遣会社の経営に何がしかの意見を言うことなど出来るだろうか)。

では、派遣先の企業に対しての帰属意識はどうか。これは、その派遣スタッフの立場や職種、待遇によりけりではあろうが、やはり基本的には薄いのではないだろうか。少なくとも自分はそうだ。派遣先での待遇は非常によい(給与面に不満はあるが、これは派遣先だけに理由を求めるものでもないと思うので)し、人間関係も良好で職場に愛着はあるが、その反面で「もう今年度限りで辞める職場である」ことは頭のどこかで常に意識している。派遣会社に比べれば、派遣先の経営方針の一端に触れる機会は多いし、それに対して言いたいこともなくはないが、言ったところで何になるのか自分には分からない。派遣先の上司や同僚に意見を求められれば(そんなことは滅多にないが)答えもするが、その意見が派遣先の経営に影響を及ぼすことがあるかと問われれば、まずあるまい。自分は、その意味では部外者であると認識している。そんな立場の人間の言うことなど、よくてオブザーバーの参考意見にしかならない。別に言っても大してデメリットはないから言うのは構わないが、メリットもないので自分から言うこともない。

 

そんなわけで今の自分は、仕事をする「場所」に対して、大きな視点から意見を言うことがない。これは、責任を負うことがないので気楽ではあるが、仕事そのものに対して何らかの不都合や不満があっても、なかなか言い出しにくいという窮屈さがある。

派遣という雇用形態で働いている以上、このようなスタンスは動かしがたいところがある。これをよしとするか否かは判断が分かれるところではあるが。