僕は男性だが、かつて何度かマニキュアを付けたことがある

f:id:chimrin:20160517224421j:plain

ファッションにはとんと興味がないので分からないのだが、男性でお洒落を目的としてマニキュアを付ける人っているんだろうか。いたとしてもかなりエキセントリックな方向のファッションのような気がするが。

 

もちろん、僕がかつて付けていたマニキュアというのは、お洒落を目的にしたものではない。そもそも、透明のものだし、正式な呼び方は知らないが多分マニキュアではない。僕が付けていたのは、爪を硬くする液剤である。色も透明。成分まで詳しく覚えていないが、多分、瞬間接着剤と似たようなものではないだろうか。実際、アロンアルファで代用している人もいるらしい。

爪を硬くしてどうするのかと言うと、ギターを弾くのに使うのである。ここでギターというのは、エレキギターやフォークギターではなく、クラシックギターと呼ばれる類の楽器。

クラシックギターは、普通はピックなどの道具を使わず、手の爪を使って弦をはじき音を奏でる。厳密に言うなら爪だけで弾くと音が汚くなるので、爪と指先の両方が触れるくらいの感覚で弾くのだが、まあ細かいことはともかく、爪を使うのは間違いない。当然、爪のコンディションによって音も変わってくる。そのためクラシックギタリストは爪やすりが必携なのだが、そのようにまめに手入れをしていても爪が折れてしまうときがある。それを防止するため、マニキュアのような爪の硬化剤を塗るというわけ。

爪の硬さは体質によるもので、こればかりは手入れしようが鍛錬しようが硬くなるわけではない(指先の皮はかなり硬くなるが)ので、このような硬化剤はプロの方でも用いている場合もあると聞いた。僕は割りと爪は硬いほうなので、実はそれほど使ったことはないのだが、ギター演奏サークルに所属していた大学の頃にコーチに借りて試させてもらったことがある。爪の硬さが変わると音質も変わるので、なかなか面白かった。

というようなことを、爪を切っていてふと思い出した。最近、ギターを弾かなくなってしまい、爪の手入れもまったくしていない。もう少し、ギターを弾けるくらいの時間と気持ちの余裕が欲しいところだ。